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煎茶をいれる器具。

急焼、急尾焼とも書き、キビショウとかキビショとも呼ぶが、これはアモイ(厦門)語のキプシオ(急焼)がなまったとか、急尾焼という焼き物の名が転じたものだともいわれる。


◆中国から渡来してきたもので、もともとは酒を燗する容器として使われていた。
日本には江戸時代中期に伝わり、はじめは湯沸し、お茶出し用と両方に使われたが、煎茶が盛んになると、やかん、土瓶、急須の用途が次第に分かれていって、茶を出す専用の器具となった。

(参考図書:河野友美編『食品大事典』、同朋社『日本料理由来事典』ほか)


<急須を見ると喉が渇く>

「まあ、上がって上がって。さぁさ、遠慮はいらんよ!」の手招きに誘われて、ちゃぶ台も兼ねた万年ごたつの前に座った。

台の上にはすでにきゅうりの醤油漬けがのっかっている。

湯のみ茶碗にたっぷりのお茶が注がれ、これでお茶飲み体制は万全と思いきや、おばあちゃんは台所からウリの粕漬け、花豆の甘煮、ナスの辛子漬けをすんなりと出してきた。


アラ、おこわまで。
さすがにこれは飛び入りらしいけど、次から次へと出てくる魔法のような信州人の台所には、感心するばかり。
へぇー、急にお邪魔しても、こんなにストックが...。

驚くのはまだ早かった。
まだ、一口、二口しかつけていない湯のみ茶碗に次から次へと継ぎ足されるお茶。

こちらは茶碗が空になってからニ煎めを、と思っていたものだから、
何だか落ち着かない。

一方、おばあちゃんは、空になるまで放っておいては接待にならん、...と。
あちらはあちらで、落ち着かないらしい。
しょっちゅう、急須のとってに手をかけて気配りを絶やさない。

いれ方の違いこそあれ、お互いに相手を思いやってのことで元は同じ気持ちだ。


「このキビショ(急須)にナ、お茶が入らんと喉が渇いて話が弾まんからナ。
それもナ、安~い番茶がいいんよ。
こうやって、何杯も何杯も飲みながら、世間話をしている時が一番幸せだよ!」

と、アルミのキビショの柄を握って、また注いだ。


たしかに、たしかに、
唇を滑らかにするのは高級茶より番茶。

番茶に限る!

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