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ナマコの腸(このわた)にくっついている卵巣のこと。また、これを干したものもいう。

◆広げて干した三味線のバチのような形のものと、棒状の二種類があり、いずれもあぶって酒の肴や、懐石料理の八寸、前菜、椀種に利用される。
また、細かく切って和えものなどにする。


◆ナマコは昼は岩かげに隠れ、夜になると動き回るのが鼠の習性に似ていることから海鼠という字が当てられた。また、栄養豊富で朝鮮人参にも匹敵することから海参とも書く。

(参考図書:中村幸平著『日本料理語源集』、講談社『調理の基礎』ほか

< さすが、不老長寿? >

上海のデパ地下で買ったイリコ(干しナマコ)。たった一個。

すぐにでも調理に取りかかりたいような、かと言って気安くは使いたくない.....。
大切に引き出しの奥にしまっておこうものなら死蔵品になること間違いなし。
そんなわけで、目に付きやすいキッチンのハッチの隅に置いておくことにした。

でも、なかなか手をつけにくい。戻すのに時間がかかるとか、もったいないとか、何とかかんとか理由をつけながら、もう、数年も放っている。
有難さも日に日に遠のいて行く。

※ ※ ※

このナマコ、つゆ時にはブヨブヨして肥満になる。
触るとグニュグニュ、指で左右に動かすと、まるで生きているかのように体を委ねてくる。

どうやら室内の湿気をいってに引き受けているようだ。
冬の乾燥時期には硬く引き締まっていて、投げればコロコロと転がるほどになり、よくみると全身に薄く潮まで吹かせている。
今では我が家の湿度計がわり。

目にとまった人は「なあに、これ?」と必ず尋ねてくる。
ブヨブヨのからだに触れようものなら奇声を発して手を引っ込める始末だ。

そんなこんなで、今さら調理をする気にもなれず、我が家の怪しげな不老長寿の置物になっている。


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