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イギス科の海藻を煮溶かして寒天のように固めたもの。
しょうゆ、酢味噌、胡麻味噌などをかけて食べる。イバラノリ、アミグサなどの名でも呼ばれる。
髪の毛のように細く柔らかいことから海髪の文字を当てているが、『倭名類聚抄』(931~937年)ではテングサ(大凝菜)と対比させて(小凝菜)の漢字を用いている。
◆江戸時代の『和漢三才図会』(1712年)には「作っているとき冗談をいうとそれが聞こえて固まらない」とあり、イギスを固めるときの難しさを伝えている。

<夏の風物詩>
幼いころに食べたイギス豆腐は夏の暑さを吹き飛ばすのにピッタリの食べ物であった。イギスが喉をとおり抜けていくときのヒヤッとした快感に全神経を集中させて、ほんの一瞬の幸せ気分を楽しんでいた。
瀬戸内では夏に収穫したイギスをもみ洗いして、庭先で乾燥させていた。洗う、乾燥を繰り返すことで白っぽくなって独特の臭みも消え食べやすい味になっていくのだそうだ。
米ぬかを晒しの袋にいれて水の中でもみ、その汁に酢少々と水でもどしたイギスを加えてコトコト煮る。ドロドロに溶けてくるのでこれを冷やし固めるとイギス豆腐ができあがる。
今でも瀬戸内に住んでいる知人のNさんの話によると、米ぬかにはイギスを固める手助けをする作用があり、糠の量が少ないとうまく固まらない。かといって多すぎると、糠臭さが出てくる。その微妙な加減が作るときのコツだと。
「糠の量はどのくらい?」とたずねると、「さあね~、近頃はあんまり作らんからねぇ。いい加減でいいんよ。」と、分かっている人にしか分からない返事が返ってきた。地域限定食にはよくある話だなと、一人苦笑した。

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