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酒に梅干と鰹節を入れて煮詰めたうま味調味料。
室町時代末期から江戸時代にかけて日常的に用いられていた現在の醤油のようなもの。
江戸時代に書かれた『料理物語』に作り方が記されている。それによると、「鰹(節)一升に梅干十五~二十入り、古酒二升、水ちと、溜少し入れ、一升に煎じ漉し、冷やして良し」とある。
煎酒の「煎り」とは煎じることで、酒を煎じるようにグツグツと気長に煮詰めるという意味である。
◆煎酒が登場したのは『松屋茶会記』(1557年)で、刺身のつけ汁にはなくてはならない調味料であった。しかし、『素人包丁』(1803年)あたりからその名は消えてしまい、煎酒は醤油の普及とともに衰退した。
.(参考図書:川上行蔵著『湯炊きと風呂吹き』 松井今朝子著『料理通異聞』ほか)

<幻の調味料>

江戸時代の『料理物語』の作り方にそって試作をしてみた。
もちろん、10分の1の量で。
鰹節はおおよそ1合、梅干2個、酒1合、溜りは醤油で代用といった具合に、これらを、ごくごく弱火にかけて煎じはじめた。
ところが5分も経つと液量が減ったのであわてて水を足し、再び加熱を開始。
味を見ながら見極めをつけて火を止めてゆっくり漉した。
出汁の効いたつゆに梅酢をたらしたような、ぜいたくな味に仕上がった。それもそのはず、半端ない鰹節の量だ。
えーと、これを一般家庭で刺身やお浸しに日常的に使うとなると・・・。
高価な調味料ということになり、それに手間もかかる。
※ ※
煎酒はその後の「醤油」の普及によって衰退していったという話にも納得がいく。
そして、
今では刺身と言えば、醤油につけて食べるのが当たり前のようになっているが、時折、「煎酒です」とウンチクを混じえて添える和食店がある。
そう言われてじゅっくり味わうと「醤油とは異なる上品なあっさり味」で、当時の贅沢さに感激するばかりだ。


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