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鯨の上あごの軟骨のことで、これを糸状に切って水にさらし乾かしたものもいう。
語源は「骨の形が蕪に似ているからか」と『日本国語大事典』にある。
江戸時代、鯨は肥前、長門、土佐、紀州方面の主産地では盛んに食べられたが、江戸にはサラシクジラやこの蕪骨(カブラボネ)の形にして運ばれていた。
◆調理をする際は水に浸して絞り、三杯酢であえる。また吸い物にして懐石の箸洗いなどに用いられる。
◆蕪骨を粕漬けにしたものが佐賀県名物「松浦漬け」である。

<買ってはみたけれど・・・>
蕪骨の乾物を水で戻して酢の物にしてみた。友人に差し出すと「これ、春雨?」と聞かれ、がっかりした記憶がある。何とか上手な使い方がないかと思いつつも、残った蕪骨はもう5年も眠っている。昔からの高級珍味で、味というよりも独特の歯ざわりを楽しむものらしい。
『歴史のかげにグルメあり』(黒岩比佐子著)によると、
「明治時代に西園寺公望が主催したイギリスのアーサー王子の晩餐会の饗応メニューの鱠の項に「蕪骨」が含まれていた。この晩餐会について王子の首席随員、ミットフォードは日本風の素晴らしいご馳走が出たと書いているが、味に関する感想はなかった。」とあり、印象に残るほどの味ではなかったようだ。
その蕪骨も5年ぐらい前から製造する人がいなくなったという。
水にさらした軟骨を鉋で削り、さらに細長く切って水にさらす、という作業には相当の労力が必要とされ、後継者がいないという理由からであった。
また、ひとつ、伝統食品が消えていった。

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