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「最高のおいしさ」を表現するほめことば。

仏典の『涅槃経』によると、
「牛より乳(ニュウ)を出し、乳より酪(ラク)を出し、酪より生酥(ショウソ)を出し、生酥より熟酥(ジュクソ)を出し、熟酥より醍醐(ダイゴ)を出すが如し。醍醐は最上なり。」
とあり、乳を煮つめ(あるいは熟成)段階での味を五つに分けて名称をあてた。

「醍醐」は乳の最終段階でやっとできる五味の最上とされ、醍醐のようにおいしい味という意味で「醍醐味」と呼ばれた。
醍醐とは現在のチーズのようなものであったといわれるがはっきりしない。

これが元になって食べ物に限らず盛大な催しや、豪快さ、何ものにも代えられない楽しさ、本当の面白さなどを表す言葉としても使われている。


(参考図書:中村幸平著『日本料理語源集』 早川文代著『食後のひととき』ほか)


<醍醐には及ばすとも...>


想像の中にしかない「醍醐」となれば、興味は募るばかり。

でも、醍醐の一歩手前まで煮詰めた「蘇(酥と同じかは不明)」というものは市販されていると聞いていた。

み~つけた!
ところは奈良。

僅か4センチ立方ぐらいのキャラメル色の固形物が、ケースにはいったダイアモンドの指輪よろしく詰められていた。(700円)


「食べ方通り」に薄~く切ったひと切れを噛みしめた。
紛れもなく濃縮乳の味がして乳脂肪18%以上、乳固形分70%の成分表示にうなずく。

あぁ、これは北欧のチーズ「スキクイーン」に似ている、色も味も。
とは言っても、熟成されたスキクイーンの濃厚さには及ばないし、舌に触るザラザラ感は何だろう?

いずれにしても、当時の人たちの舌を唸らせたであろうことは想像できるけれど、あっけなかった。
強い甘みや複雑な味に慣れた現代人にとって、淡い甘味を手放しで喜べなくなってきている。
私の舌もずいぶん生意気になっているのかなぁ、と気分は複雑だ。

先入観を引っ提げて口に入れる食べ物はうまさの定規が定まりにくく、正に杓子定規だ。...が、それはソレ。

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