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語源にはいろいろあるが、興味深いものを一つ。
『うまいもの事典』(辻静雄著)によると
「昔、スペインの王様がお供を連れて田舎を散歩していた。お腹がすいてきたので家来に食事作りを命じたが、田舎のこととて何もなく通りすがりのあばら家に居合わせた男に、何でもよいから食べ物を用意するように頼んだ。男は早速フライパンをもってきて見事なスピードで溶いた卵を焼いて王様にさしあげた。王様は感心して、いまだかって食べたことがないこの料理を食べながら「quel(ケル)hommeleste(オムレスト)!」「何とすばやい男だ」と賛嘆した。このオム・レストが訛ってオムレツになった。」
◆日露戦争時、戦艦三笠の東郷平八郎司令長官ら幹部の朝食はオムレツが定番だったという。
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<ふんわり、とろりが常識・・・>
かつて新宿にあった通称「しょんべん横丁」でのこと。そう、女人禁制のようなアソコ。カウンターごしにオムレツを注文した。お兄さんは溶いた卵に塩、胡椒をチョチョッ。それを使い古したベトベト、ボツボツ、ボコボコの小さな丸いフライパンに流し入れ、強火の炎の上で激しく揺らした。卵液がまわりから固まり始めるやいなや、フライパンを宙に放って中身を回転させたかと思うと、めでたく着地!
素早くお皿に移して目の前に。半円形にするでもなく、ふんわり、とろりの優等生でもなかったけれど、素早さと強気の意気込みにあっけにとられて目が点・・・。オムレツ作りには何かとウンチクが多い中で、「そんなの関係ない!」といわんばかりの手つきは何よりもスピードを優先していた。これぞオムレスト!
そして、ナポレオンが食べたのもきっとこの手のオムレツだったのではないのだろうかと、ついつい、頭をめぐらしてみた。
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